2016年10月20日

工作 山本式スーパーバイノーラルコンペンセータを作る

イヤホン(ヘッドホン)で音楽を聴くときに、音の頭内定位が気になったことはないだろうか。

つまり、頭の中心で音が鳴っているように感じないだろうか。両耳にイヤホンを着けているんだからあたりまえじゃん、と思うかもしれないけれど、本来音楽はカラダの外にある楽器なり声の音を聴くわけで、音源が頭の中にあるのはおかしい。

かんなさんにも聞いてみたけれど、特に変だと感じたことはないそうだ。なので頭内定位が気になるかどうかは人によるのかもしれない。

これは仮説だけれど、バイノーラル録音(ダミーヘッドマイクによる録音)のコンテンツをイヤホンで聴いたことがある人には、その音場の自然さや臨場感が、普通の音楽をイヤホンで聴いた場合とは根本的に違うことがわかってもらえるのではないだろうか。

そこで、最近アマチュア無線関係で電子工作も少しやるようになったので、以前から気になっていた「山本式スーパーバイノーラルコンペンセータ(SBC)」を作ってみることにする。

理論や回路はもう20年近く前のコンテンツになるけれど、オリジナルの「山本式スーパーバイノーラルコンペンセーターのナゾ」を参照いただきたい。

抵抗の値だが、オリジナルは300Ωくらいのハイインピーダンスのヘッドホンを想定しているようで、50〜100Ωが至適としている。けれど、自分の持っているイヤホンは16Ωなので、5〜8Ωくらいになるだろうか。

ということで、こちらが試作1号機。抵抗値は間をとって6.8Ωとした。

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これを通して聴いてみると、確かに音が頭の外側まで広がっているように感じる。バイノーラル録音だと前後位置まで再現されるけれど、さすがにそこまでは無理で、単純に左右に音場が広がっている印象。

ただしソースによって効果があるものとあまり感じられないものがあり、ライブ盤などはけっこうわかりやすい感じ。この辺の考察もオリジナルのサイトでされている。

せっかくなのでボリュームで抵抗値を可変できるようにしてみようと、秋葉原で部品を調達。10Ω前後の低抵抗のボリュームは見当たらなかったので、10Ωの抵抗と100Ωのボリュームを並列にしてみた。合成抵抗はリニアではなくなってしまうが、0〜9Ωまでは連続可変できるはず。

こちらがその2号機。隣にあるのは秋葉原でついでに買ってみた秋月のヘッドホンアンプのキットを組み立てたもの。

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並列抵抗とした特性上、ボリュームを0(SBC OFF)から少し回しただけで抵抗値が急激に上がるためなのか、0位置から少し動かすと音量がやや下がり、音場が広がる効果が出て、その後抵抗を上げていってもあまり効果は変わらないという印象。

SBC ONの状態からOFFに戻すと効果がわかりやすく、音場がぎゅっと圧縮されるイメージ。全体的にSBC ONの方が疲れない感じ。これだけでも作った甲斐があったかな。

本当はヘッドホンアンプに抵抗を内蔵して,SBC内蔵アンプにしたいのだけど,基板に部品が密集している上にケースがぎゅうぎゅうなのでどうしようか考えている。

SBCのことは以前から気になっていて、なぜ今頃になって作ってみようかと思ったかというと、電子工作へのハードルが下がったことがひとつ。あとは最近スマホで音楽を聴く人が増えたのと、ハイレゾ音源の普及なんかも関係しているのか、USB DACだとかポータブルヘッドホンアンプの話をよく聞くようになった。左右チャンネルの分離を良くするために、バランス駆動にするなんていうのも見た。

でも待ってほしい。いかにハイレゾ化して、DACやアンプやヘッドホンに良いものを使って原音に忠実なHiFiを実現したとしても、そもそもヘッドホン向けに録音されていない普通の音源を聴く以上、頭内定位や狭い音場の問題はまったく解決されない。これはオリジナルのwww.tomoya.comで指摘されている通りで、その後20年も経っているのに根本的には何も変わっていない。

「ヘッドホンで聴いているんだから音が頭の中で聞こえるのは当然」という思い込みがあって、不思議に思う人が少ないためだとは思うけれど、周波数特性の前に気にすることがあるんじゃないかな、と思って。

一番良いのは、これだけスマホとヘッドホンで音楽を聴く人が増えたのだから、音源をスピーカー用とヘッドホン用で分けて、ヘッドホン用はバイノーラル録音で売ってもらうこと。もちろん楽器別に録音してミックスするような構成や打ち込みでは難しいだろうけど、オーケストラだとかバンドのライブ録音なんかでは不可能ではないと思う。
タグ:工作
posted by ソウヘイ at 21:35| Comment(0) | 音楽
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