2018年07月19日

SF本読了 ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

「ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム」(赤野工作)を読了。Kindle版。

カクヨムという小説投稿サイトで連載されていたものの書籍化とのこと。この記事を書くときに初めてカクヨムのサイトを見たけれど、全話無料で読めるみたい。

面白かったんだけど、その面白さというのが不思議な感じだった。

未来(2115年)の人が書いたブログである、という体裁で、扱っているのが架空のゲーム(2020年代から2080年代に発売された『レトロ』ゲーム)のレビューという内容になるんだけど、読んでいる感じはまさに、ウェブサイトで誰かのブログを読んでいるような感覚。横書きだったらもっとそれっぽかったかも。

普通の小説なら校閲で直っているような間違いが随所にあるんだけど、でもそれも「個人のブログであるという設定」だと考えることもできて、妙にリアルに感じる。演出なのか単なる間違いなのか区別がつかない。鬱陶しい冗長な文章も、「あー、確かにこういう文章ネットに書く人いるよね」と納得してしまう。これは読んでいてとても不思議な感覚だった。

彼女のことを「世間ずれしたお嬢様と会話するシミュレーション だ!」と、そう都合よく解釈して、ゲームに没頭していくばかりでした。

赤野 工作. ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム (Kindle の位置No.4575-4576). KADOKAWA / 富士見書房. Kindle 版.


登場する架空のゲームたちはどれも「低評価」だったから取り上げられたという設定になっているんだけど、単なる「クソゲー」ではなくて、社会問題を引き起こした「問題作」ばかりで、よく考えたなと思う。

文庫なら2分冊か3分冊になりそうなボリュームも、「原稿用紙の枚数」とか関係なく書いているブログ、という感じでそれらしい。

とにかく不思議な味わいのある良作だった。

posted by ソウヘイ at 21:51| Comment(0) | 読書
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