2016年09月20日

SF本読了 エターナル・フレイム

「エターナル・フレイム」(G.イーガン)を読了。Kindle版。

<直交>宇宙3部作の2作目。

半分くらいまでは回転物理学の超難解な議論についていけないのと、登場人物の名前が似ていて混乱する(タマラとカルラのどっちが物理学者でどっちが天文学者だったっけ?とか)のもあって、なかなか厳しい戦いだった。

半分を過ぎた頃から人物の名前にも慣れて、回転物理学の議論は理解できなくてもさらっと流していくことで、だんだん引き込まれていった感じ。

ただやっぱり「我々の」宇宙とのインタラクションがまったくないという点で、私としてはこのシリーズはファンタジーに近いというのが2作目まで読んでの感想。何度も読み込んで勉強して,回転物理学に精通できたとしても,それってクリンゴン語を覚えたりするのと同じようなものじゃ...と思ってしまう。

もちろん物理法則が異なる宇宙だからこそ描ける普遍的な感動はあると思うし,最終巻でどんな展開になるかでも変わると思うけれど,今のところ順列都市ディアスポラのように何度も読み返したくなるかどうかは微妙な感じ。

posted by ソウヘイ at 19:37| Comment(0) | 読書

2016年08月30日

ミステリ読了 Xの悲劇

「Xの悲劇」(E.クイーン)を読了。Kindle版。

χの悲劇でエピグラフとして引用されていたのが本書だったので,気になって読んでみた。

なるほど,殺人事件が起きるシチュエーションとか凶器なんかがリンクしていて面白い。

エラリイ・クイーンを読んだのはオランダ靴の謎以来2冊目。オランダ靴の時もそうだったけれど,外国の古いお話ということで,文化の違いが興味深く面白い。Xの悲劇はニューヨーク周辺が舞台で,時代は1930年代。作中では夜中だろうと時間に構わず人々が活動しており,また鉄道や渡し船(!)もほとんど終夜営業。時代は古くともさすがはニューヨークという感じ。

本書はドルリー・レーンが活躍する4部作の1作目とのことだけど,さてどうしよう。

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2016年08月07日

ミステリ読了 χの悲劇

「χの悲劇」(森博嗣)を読了。Kindle版。

Gシリーズ10作目かな。前作を読んだのが2年前で,出版も2年半あいている。これはもちろんそれが与える効果を見越してのことだと思う。

さすがだなぁ,という感想。今までの作品を通して再読させたくさせるこの感覚はなんと表現したら良いのだろう。「書かなくても良いことを極力書かない」という方針だそうだけど,まさにその絶妙なところを突いてくるというか。

いずれ全てのシリーズが完結してしまうのは寂しいことだけど,再読の楽しみを考えただけで今から震えてくる。そのうち自分の仕事をリタイアして,まとまった時間を作って,資格の勉強とかも考えず,かんなさん(奥様)と語らいながら,森博嗣を一作一作噛み締めて再読するというのがささやかな夢である。

ミステリィについて自分なりに見直し、あまりトリッキィなものではなく、どろどろしたものでもなく、真正面から誠実に、シンプルできめの細かい作品を書きたいと思うようになりました。また、矛盾しているように感じられると思いますが、一方では書かなくても良いことを極力書かない、という当たり前の素直な方針を掲げ、ナチュラルでアキュラシィな作りをなんとか目指したいと今は考えています。(引用:公式サイトのGシリーズ作品紹介より)


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2016年07月29日

SF本読了 プロジェクトぴあの

「プロジェクトぴあの」(山本弘)を読了。Kindle版。

中盤までは野尻SFっぽいかなー、と思いつつ読んでいたけれど、後半は山本SFという感じで面白かった。

今年の今まで読んだ中ではベストかな。

ちなみにピアノ・ドライブが出てくる「地球移動作戦」を読んだのは5年前で,名前に聞き覚えはあったものの,つながりはまったく覚えておらず。。。

「天才もの」にもいろんなバリエーションがあって、本当に面白い。フィクションに出てきたキャラクターで一番強い奴は誰か、みたいな中二病的妄想は誰もが経験があると思うけれど、一番の天才は誰か、お互いに出会ったら何を話すのか、みたいな想像をしてみるのも楽しい。

それにしても、こんなに素晴らしく面白いSFを何冊も出しておられるのに、商業的にはなかなか厳しいとのお話がご本人のブログに書かれていた。応援の気持ちも込めて、これからも購入させていただきたい。

「遊ぶ金を稼ぐために」周到に計算して売れる本をハイペースで書きまくった(そして計算通りお金持ちになって遊びまくっている)森博嗣さんはやはりとてつもない人なのだなぁ、と改めて思う。

タグ:Kindle SF 山本弘
posted by ソウヘイ at 21:47| Comment(0) | 読書

2016年07月20日

SF本読了 TAP

「TAP」(G.イーガン)を読了。Kindle版。

河出書房のTAPがついに文庫化・電書化された。ずいぶん長く待たされた気がする。

元々<奇想コレクション>ということで、SF分は少なめ。イーガンとしては異色のホラーもあったりして、でもいつもの文体(やたらと一文が長いとか)はやっぱりイーガンだなぁ、とニヤニヤしながら読んだ。

好みとしては表題作や、順列都市の塵理論を彷彿とさせる「森の奥」、え?そっちですか?とびっくり展開な「ユージーン」あたりが好みかな。

著作リストを見ると、まだまだ未訳の長編もあるし、商業的には難しいこともあるんだろうけれど、なんとか翻訳されることを期待したい。

【収録作品】
新・口笛テスト
視覚
ユージーン
悪魔の移住
散骨
銀炎
自警団
要塞
森の奥
TAP

posted by ソウヘイ at 21:14| Comment(0) | 読書