2016年08月07日

ミステリ読了 χの悲劇

「χの悲劇」(森博嗣)を読了。Kindle版。

Gシリーズ10作目かな。前作を読んだのが2年前で,出版も2年半あいている。これはもちろんそれが与える効果を見越してのことだと思う。

さすがだなぁ,という感想。今までの作品を通して再読させたくさせるこの感覚はなんと表現したら良いのだろう。「書かなくても良いことを極力書かない」という方針だそうだけど,まさにその絶妙なところを突いてくるというか。

いずれ全てのシリーズが完結してしまうのは寂しいことだけど,再読の楽しみを考えただけで今から震えてくる。そのうち自分の仕事をリタイアして,まとまった時間を作って,資格の勉強とかも考えず,かんなさん(奥様)と語らいながら,森博嗣を一作一作噛み締めて再読するというのがささやかな夢である。

ミステリィについて自分なりに見直し、あまりトリッキィなものではなく、どろどろしたものでもなく、真正面から誠実に、シンプルできめの細かい作品を書きたいと思うようになりました。また、矛盾しているように感じられると思いますが、一方では書かなくても良いことを極力書かない、という当たり前の素直な方針を掲げ、ナチュラルでアキュラシィな作りをなんとか目指したいと今は考えています。(引用:公式サイトのGシリーズ作品紹介より)


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2016年07月29日

SF本読了 プロジェクトぴあの

「プロジェクトぴあの」(山本弘)を読了。Kindle版。

中盤までは野尻SFっぽいかなー、と思いつつ読んでいたけれど、後半は山本SFという感じで面白かった。

今年の今まで読んだ中ではベストかな。

ちなみにピアノ・ドライブが出てくる「地球移動作戦」を読んだのは5年前で,名前に聞き覚えはあったものの,つながりはまったく覚えておらず。。。

「天才もの」にもいろんなバリエーションがあって、本当に面白い。フィクションに出てきたキャラクターで一番強い奴は誰か、みたいな中二病的妄想は誰もが経験があると思うけれど、一番の天才は誰か、お互いに出会ったら何を話すのか、みたいな想像をしてみるのも楽しい。

それにしても、こんなに素晴らしく面白いSFを何冊も出しておられるのに、商業的にはなかなか厳しいとのお話がご本人のブログに書かれていた。応援の気持ちも込めて、これからも購入させていただきたい。

「遊ぶ金を稼ぐために」周到に計算して売れる本をハイペースで書きまくった(そして計算通りお金持ちになって遊びまくっている)森博嗣さんはやはりとてつもない人なのだなぁ、と改めて思う。

タグ:Kindle SF 山本弘
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2016年07月20日

SF本読了 TAP

「TAP」(G.イーガン)を読了。Kindle版。

河出書房のTAPがついに文庫化・電書化された。ずいぶん長く待たされた気がする。

元々<奇想コレクション>ということで、SF分は少なめ。イーガンとしては異色のホラーもあったりして、でもいつもの文体(やたらと一文が長いとか)はやっぱりイーガンだなぁ、とニヤニヤしながら読んだ。

好みとしては表題作や、順列都市の塵理論を彷彿とさせる「森の奥」、え?そっちですか?とびっくり展開な「ユージーン」あたりが好みかな。

著作リストを見ると、まだまだ未訳の長編もあるし、商業的には難しいこともあるんだろうけれど、なんとか翻訳されることを期待したい。

【収録作品】
新・口笛テスト
視覚
ユージーン
悪魔の移住
散骨
銀炎
自警団
要塞
森の奥
TAP

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2016年07月05日

SF本読了 カエアンの聖衣

「カエアンの聖衣[新訳版]」(B.J.ベイリー)を読了。Kindle版。

先日読んだSFのSは、ステキのSで何度も出てきた本だったので、気になって読んでみた。

今更だけど、こういうのをワイドスクリーンバロックと呼ぶのかと納得。そうするとレナルズなんかもそうかな。

ぜんぜんハードではないんだけど、良い意味でバカSFとして楽しめた。なんとなく、服を着たときに背筋を伸ばすようになったりして。

ふたりの交信は、通常会話の域をとっくに超えて、いまや、純粋な感情をダイレクトに伝えられる唯一の周波帯、UHFで行われていた。豊かな高周波のハーモニーに乗って、言葉ではけっして扱えない繊細な感性が自由にやりとりされた。


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2016年06月21日

SF本読了 BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女

「BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女(上・下)」(山本弘)を読了。Kindle版。

大変面白かった。

山本氏の新刊はKiindle化されればたいてい読んでいるけれど、このビブリオバトル部シリーズについては、じつはちょっと敬遠していた。

ビブリオバトルというのは自分の好きな本をプレゼンして、他人に「読んでみたい」と思わせられるかどうか、を競うもの。そのビブリオバトル自体のコンセプトがどうも自分の読書スタイルに合わない気がしていた。

ひとつには世間で評判になっている本が必ずしも自分の好みに合わなかった、という経験もあるし、また自分が素晴らしいと思う本が他人にとっても面白いかどうかはわからない。なのでビブリオバトルに限らず本を薦められたり薦めたり、というのはちょっと苦手意識があったのだ。

しかし本作を読んでみて、これはこれとしてぜんぜんアリだな、と感じた。本を紹介する小説、というちょっとメタな感じも面白いし、実在のSF(やノンフィクションや科学本などなど)で作中に出てくる本が本当に面白そう。

ちなみに「フェッセンデンの宇宙」は2012年に読んでいるけれど、また読み返したくなった。


「あのー、僕の父の田舎ではゴジャッペ≠ネんですけど……」
また会場に笑いが起こります。
「ゴジャッペ≠ノついては何か書いてありますか?」
「ああ、ありますよ」部長さんはまた地図を示します。
「茨城と千葉はゴジャ文化圏≠竄サうです。このあたりにはデ レ≠ニか デレスケ≠ニいう言葉も分布してます。
これは京都ではなく江戸から広まった言葉なんかもしれません」


タグ:Kindle SF 山本弘
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